風俗業界特有の給料制度に「バンス制度」があります。
バンス制度とは、キャストが給料を前借りできる制度のことです。
実際にキャストがバンス制度を利用したいと相談してきた場合、「制度を適用すればお店側にデメリットがあるのではないか」「給料を貸し付ける際の流れがわからない」など、不安や疑問を抱いてしまう風俗スタッフは少なくありません。
そこでこの記事では、風俗店におけるバンス制度の概要や注意点、対応の流れなどを解説します。
バンス制度を健全に運用するためにも、ぜひこの記事を読んで制度を利用したいキャストへの理解を深めてください。

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風俗店の「バンス制度」とはキャストの給料前借り
風俗業界における「バンス制度」とは、キャストが給料日よりも前にお金を借りられる制度です。
キャストは給料を日払いで受け取ることがあり、月払いが通常の一般的な仕事やアルバイトと比べても自由度が高いです。
バンス制度を利用すると、数日間から一ヵ月分、早く給料を前借りできます。
キャストがバンス制度を利用して前借りした給料を返済するには、制度を利用した次の日や次月から、10%ずつ・1万円ずつなど決まった金額が天引きされる形がほとんどです。
多くのキャストはお店で働きながら返済しています。
ただし、バンス制度はすべての風俗店が導入しているわけではありません。
また、この制度はキャストに無利子で貸し付ける場合がほとんどですが、一部の風俗店では金利をつけることもあります。
ここからは、キャストが給料を前借りする理由やルール、金額の相場などを解説しますので、参考にしてみましょう。
給料を前借りする理由はキャストによって異なる
バンス制度はいわば借金であり、前借りする金額が大きければリスクもあります。
それでもキャストがバンス制度を利用して給料を前借りする理由は以下のとおりです。
■プライベートの事情ですぐに引っ越ししたい
■身内の入院費がすぐに必要になった
■もっと稼ぐために今すぐ自己投資したい
バンス制度を利用する事情はキャストによってさまざまですが、急な出費が理由であるケースが多いです。
出費をクレジットカードや消費者金融などでまかなえない場合に、働いている風俗店で給料を前借りするというケースが多い傾向にあります。
貸し付けはキャストの仕事ぶりで決める
バンス制度はキャストに前貸しした給料が返済されないリスクがあるため、お店側にはより慎重な運用が求められます。
バンス制度を設(もう)ける場合は、信頼性や返済能力のあるキャストに限定して給料を前貸しするのが基本です。
バンス制度を利用できるキャストなのか判断するポイントは以下のとおりです。
■在籍期間
■勤務日数・時間 ■勤務態度 ■お客さんの評判・リピート率 |
勤続年数が長いキャストがバンス制度を利用できる場合が多いため、入店したばかりのキャストには貸し付けを断る場合も多いです。
また、返済が完了するまでは「週5日出勤」「半年以上勤務」「写メ日記を1日3回以上更新」するなど、お店側がキャストに条件を設定するケースも少なくありません。
このように、バンス制度はお店側とキャストのどちらにとってもリスクが高いシステムですが、導入の仕方によってはキャストの管理やシフト管理がしやすくなるというメリットもあります。
貸し付けの相場は数万円~30万円程度である
バンス制度で貸し付けられる金額の相場は数万円〜30万円程度です。
あくまでもお金に困っているキャストをサポートするための制度であり、大金を貸し付けるのはそれ相応のリスクをともなうので、数十万円程度を限度に設定したほうが無難です。
また、キャストとの信頼関係や給料によっても貸し付ける金額は変わります。
■スペックが高く、お客さんから人気がある
■真面目でプロ意識が高い ■遅刻や欠勤がなく、忙しい時間帯も積極的に働いてくれる ■以前にバンス制度を使用した際、しっかり返済してくれた |
以上のように具体的な基準を設けたうえで、一人ひとりに適切な金額を設定することがバンス制度を健全に運用するコツです。

風俗店のバンス制度で気をつけるべきこと
風俗店でバンス制度を運用する場合、気をつけるべきポイントが3つあります。
■無理のない返済スケジュールを組む
■キャストの生活環境の改善をサポートする
お店側とキャストとの金銭トラブルを防ぐため、そして、お店側が重責(じゅうせき)を担(にな)うリスクを軽減するためにも、バンス制度の注意点を把握しておきましょう。
前借りの上限金額を設定する
キャストの事情だけでなく、キャスト本人への信頼度や仕事ぶりを考慮したうえで貸し付け金額を設定しましょう。
バンス制度の利用が無制限だったり、50万円以上の高額な前借りを許可すると、キャストの返済が困難になって、持ち逃げやお店の経営圧迫などのリスクが高まります。
お店とキャスト間のトラブルを防ぐ意味でも、適切な上限金額を設定するのは大切なことです。
無理のない返済スケジュールを組む
お店側がバンス制度を円滑に運用するためには、キャストの返済スケジュールを設定することが重要です。
この制度は、言い換えれば借金なので、キャストが全額返済するまでは退店を認めないのが基本です。
しかし、すぐに返済してもらおうと無計画な返済スケジュールを組むと、逆にキャストの負担を増やしてしまい、トラブルに発展する可能性もあります。
一方で毎回の返済が少額すぎると、その分、返済期間が長くなってしまい、キャストが不満を抱える原因になることも。
返済スケジュールはキャストと相談しながら、無理のない範囲で決めることが大切です。
キャストの生活環境の改善を支援する
お金を貸し付けるだけではなく、キャストの生活環境を改善してあげることで、その後の仕事に専念しやすい状況をつくることができます。
バンス制度は急な出費の対応策として有効的なシステムですが、キャストにとっては根本的な問題解決とはならず、金銭的な問題を再度繰り返す可能性がないとは言い切れません。
結果的にキャストが何度もバンス制度を利用してしまえば、お店側にとっても経営圧迫のリスクが高まります。
そこで、キャストの給料の使い道や家計などをチェックして、生活環境の改善をサポートする方法が有効です。
お店としても、持続的な売上の確保や職場環境の向上につながるため、単にバンス制度を運用するだけではなく、キャストの金銭的な問題を解決できるよう支援してあげましょう。

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バンス制度でキャストにお金を貸し付ける流れ
バンス制度でキャストにお金を貸し付ける際のステップは以下のとおりです。
①具体的な金額や利用目的を確認する
②バンス制度の内容をキャストに説明する
③キャストにバンス制度を適用できるか確認する
④必要な申請書類や手続きをキャストに案内する
⑤合意事項を記載した書面に双方で署名する
⑥帳簿で金銭の流れを記録する
お店とキャストのトラブル、お店側のリスクを軽減するためにも、ここで紹介する流れに沿ってバンス制度を運用しましょう。
具体的な金額や利用目的を確認する
キャストが「バンス制度を利用したい」と相談してきた際は、具体的な金額や利用に至(いた)る理由など、キャストの話を丁寧に聞きましょう。
お店によっては、クレジットカードの使い過ぎなどの私的な浪費が原因の場合は、貸し付けを行わないこともあります。
バンス制度が適用できる例は以下のとおりです。
■自分の入院費用
■親族の訃報 ■緊急性がある引っ越し |
急な出費が発生した場合にのみ貸し付けますが、お店ごとに基準が異なりますのでルールは必ずチェックしてください。
バンス制度の内容をキャストに説明する
バンス制度はあくまでも、急な出費や予期せぬ事態など緊急時に対するサポートを目的としたシステムです。
その点をキャストに理解してもらったうえで、無理なく返済できる範囲の金額を貸し付けましょう。
加えて、キャストの出勤日数・時間・リピート率・写メ日記の更新回数など、返済が完了するまでの条件もここで提示して了承してもらいます。
制度のルールに納得してもらったら、毎回の給料から○円または○%ずつ返済してもらうなど、返済方法もあわせて説明してください。
以上をすべて説明したうえで、バンス制度を利用するかをキャストに再度判断してもらいましょう。
キャストにバンス制度を適用できるか確認する
バンス制度はお店側にもリスクがあるので、利用できるキャストは限られています。
そのため、社内の就業規則や労働契約に基(もと)づいて、相談を受けたキャストにバンス制度が適用できるかを確認することが重要です。
バンス制度を適用するにあたっては、在籍してある程度の年月が経っていることが最低条件になります。
加えて、キャストのルックスや勤務態度、リピート率など、独自の適用条件を設定しているお店も多いです。
スタッフはキャストが提示する借入れ額も加味(かみ)したうえで、バンス制度が適用できるかを判断してください。
必要な申請書類や手続きをキャストに案内する
貸し付け額・利子・返済方法・個人情報の取り扱いなど、バンス制度を適用する際は、必要な事項を書面にしたものをキャストに渡します。
バンス制度を利用したと書面に残すことで、キャストにお金を持ち逃げされるリスクを軽減できますし、お店側がお金を貸したという証明にもなります。
また、スタッフはバンス制度をキャストに案内する前段階で、返済完了までのスケジュールを明確に把握しておくことも大切です。
金銭トラブルを避ける意味でも、申請書類や手続きの案内はしっかりと行うようにしましょう。
合意事項を記載した書面に双方で署名する
バンス制度では、貸し付け額、返済方法、返済期限などをキャストと一緒に確認したうえで、合意を取るための署名を行います。
キャストに署名してもらった後は、キャストにコピーしたものを渡し、お店側は原本をしっかり保管しておきましょう。
また、この契約は双方の同意で成り立つため、お店側が勝手に返済期日を早めたり、キャスト側が貸し付け額を決めたりといったことはできません。
キャストが書面に同意したうえで、バンス制度を適用しましょう。
帳簿で金銭の流れを記録する
バンス制度を適用して給料を貸し付けた後は、スタッフは返済が計画通りに行われているかを定期的に確認してください。
必要に応じて、キャストの仕事やプライベートの悩みへのアドバイス、返済スケジュールの見直しなど追加のサポートを行います。
バンス制度の適用も含めてキャストに対して全面的な支援を行えば、店舗経営の安定性やキャストからの信頼性が高まります。

風俗店の「バンス制度」は緊急時の対応として覚えておこう!
風俗業界におけるバンス制度とは、キャストの生活をサポートし、無理なく働き続けてもらうための仕組みです。
バンス制度を利用したキャストが前借り分の給料を持ち逃げするリスクはゼロではありません。
お店としては、返済能力のあるキャストのみ給料の前貸しを行う、借用書を書いてもらうなどのルールを定(さだ)めておくことが大切です。
そうすることで、キャストに対して過度な不安を抱くことなく、バンス制度を健全に運営できます。
バンス制度のルールや流れなどを今一度確認し、キャストから利用したいとの申し出があった際はすぐに対応できるようにしましょう。
