独占インタビュー！Bell～ベル～｜風俗男性求人・バイト【メンズバニラ】

――これまでのご経歴は？

実は僕、『Bell』の系列店『chloe』で働く直前までホームレスだったんです。

――ホームレス!?

はい。地元は宮城県で、19歳のときに上京。最初は割と順調だったんですが、紆余曲折を経て、10年後には家なきアラサーに……（笑）。

――その紆余曲折の部分を、ぜひ詳しくお願いします。

田舎から出てきて、まずは寮付きの仕事を求めてセクキャバのボーイを始めました。“大都会の夜の店”ということで多少不安はあったんですけど「まあ嫌だったら辞めればいいか」くらいの気持ちで（笑）。
でも、これが意外と性に合っていたらしく、入社して半年もすると役職をもらえたし、お金に苦労するようなこともなくなっていました。だけど2年ほど経ったある日、友人に「アパレルショップを立ち上げるから、店長をやってくれないか」と誘われて。
現状に不満はなかったものの、長い付き合いのある仲間の誘いだったこともあり、単純に「面白そうだな」と。それで転職を決めたんです。

――大胆ですね（笑）。

まあ、そもそも上京からして思いつきでしたし（笑）。
で、肝心の新しい仕事ですが、僕はアパレルも初めてだし店長も初めて。友人だって事業を立ち上げたばかりでお互い右も左もわからず、1年目は毎日2人で試行錯誤していましたね。給料はセクキャバと比べて半分くらいにダウンしましたが、少しずつお得意さんが増えていくのがうれしくて、「挑戦してみてよかったな」と。

――充実している感が。

ええ。少しずつ波に乗っていく感じもしたし、手応えはすごくありました。
でも4年目を迎えたあたりでだんだんと売上が厳しくなってきて……。東京じゃテナント料も人件費もばかになりませんから、友人が北海道へ移転を決めたんです。
僕もついていくかどうかずいぶん悩みましたが、結局は退職することに。だって、業績を上げられなかったような奴がこれ以上一緒にいてもね。

――辛い決断。その後、吉村さんご自身は？

ひとまず、都内のキャバクラでボーイを。あくまで次の仕事のつなぎのつもりでしたが、店は意外に忙しくて、ドライバーもやらなきゃいけませんでした。
そんなある日、キャストの送迎中に車をぶつけられちゃって。いわゆる“もらい事故”で、こちらにはほぼ非がなかったんですが、高級車だから修理費はハンパない。しかも、なんと社用車なのに車両保険に入っていないとわかり……。

――そんな無責任な……。

ねえ。で、その莫大な修理費を「運転していたお前が払え」というわけです。理不尽もいいところでしたけど、預金をおろして叩きつけ、店を飛び出しました。今から思えば、短期間にいろいろあったせいで少し投げやりになっていたのかもしれません。そんなこんなで一気に生活すら危うくなり、住むところを引き払って公園に。
……というのが、僕がホームレスになるまでの話です。当時は29歳だったかな。

――凄まじい10年ですね。

長話をすみません（笑）。
それで、野外生活するようにはなったものの、しばらくは空き缶集めとかでなんとか暮らせました。人間、水さえあれば1週間くらいは生きられるんですよね。ところがちょうどその冬、コロナが流行り出して。覚えてます？ あの頃、公園なんかの水道が軒並み使用禁止になったの。
唯一のライフラインを止められ、本気で「あ、オレ死ぬかも」と……。頭はボーッとするし寒いしで、上野駅近くの自動販売機に寄りかかって暖まっていたら、ふと「キミ、いくつ？」って誰かの声が聞こえてきました。

――まさか幻聴……？

ではないです（笑）。呼ばれたほうを見てみると、若くてシュッとした男の人が立っていた。なんと、その人が『Chloe』の代表だったんです。

――これ、本当の話ですか？

信じられないけど本当なんですよ（笑）。だってあのときは髪はボサボサ、ヒゲはボーボー、おまけに服は穴だらけ。普通は距離を取るんじゃないかと。でも、代表は「おそらく自分と同じくらいの年齢だろうけど、なぜホームレスに？」と思って声を掛けたそうです。
考えてみれば僕は人とまともに会話するなんて店を飛び出して以来。いろんな思いがどっとあふれて、これまでの経緯を延々と話し続けました。それをただひたすら聞いてから、代表は一言「うちで働かないか」と。
僕の入社までのいきさつ、なかなかでしょ（笑）。

――世の中にそんなことがあるとは……。

しかも仕事だけじゃなく、住むところから全部用意してくれたんですよ。これはもうなんとしてでも恩返しするしかない。幸い接客業と夜職の経験はあったから、多少は自信がありました。ところが実際はお客様の顔が見えない電話対応ではまったく通用せず、「なんだオレ、またダメなのか」と……。
それでも代表や先輩たちがアドバイスやフォローしてくれて、大きなトラブルもなく。みなさんには本当に感謝しかないです。

――いつ頃『Bell』に移られたんですか？

いちおう、店ができたのは3年くらい前で、僕は入社1年未満でした。ただ、みんなで新しいスタッフを教育しなきゃいけないということで「え、もう先輩になるの？」みたいな（笑）。完全に異動した時期となるとちょっとあやふやなんですけど。

――普通ならまだ教わる立場なのでは。

そうですね。だけど後輩はみんなすごく熱心でしたし、見て覚えてもらうためにも「ちゃんとやらなきゃ」「オレが間違ってたらマズイ」と思うようになって、自分の成長も早かった気がします（笑）。おかげで入社から2年で主任に昇格。接客はもちろん、当初はずぶの素人だったパソコンの操作も画像編集ソフトまで使いこなして、女の子の面接まで任されるようになりました。
そして去年、さらにマネージャー職に抜擢されて。

――まさに快進撃。今後の目標は？

新店舗がようやく軌道に乗って、僕も責任ある役職を拝命しました。というわけで、これからはもっと積極的にシステム上の改善点や売上を伸ばすアイディアを出していかないと。
代表はよく「ダメなのは失敗そのものじゃない。失敗を恐れて何もしないこと」なんて言うんです。アパレル時代もそうだったけど、現状がまあまあよくても、そこに甘んじていればいつかはジリ貧になってしまう。だから長く太く生き残るにはとにかく動いて、何かを変えていかなくちゃいけない。
それが代表や先輩たちへの恩返しになると思いますし、もう自分の不甲斐なさにがっかりしたくもないですし。たとえば、もしまた新しい店を出すとなったとき、一番に手を挙げられるようにはなりたいなと思います。

――失礼ながら、数年前までホームレスだったとは思えないほどの変貌ぶりですね。

当時の僕もこうなるとはまったく思ってなかったはず（笑）。こんなふうに変われたのも、業務に集中できる環境が整っているおかげでしょうね。手応えのある仕事にこれまでで一番の高収入、しかも完全週休2日制なんですから。
おまけに尊敬できる上司に先輩、かわいい後輩までいて、これでやる気が出ないわけがない（笑）。

――いい仕事、いい環境に巡り会えたと。

本当に。「小銭が落ちてないかな」って足元ばかり見ていたあの頃とは全然違います。
ちなみに私生活では最近、ツーリングにハマっていて、代表ともよくご一緒するんですよ。いまは公私ともに前を見ている、ということで（笑）。