キャバクラのボーイ(黒服)といえばお客さんの案内やキャストのサポートが主な業務内容ですが、お酒の種類を覚えておくこともとても大切です。
お酒の種類をしっかりと把握しておけば、先述したキャストのサポートがスムーズにできるようになります。
本記事ではキャバクラにおけるドリンクシステムの詳細や定番のお酒の種類、さらにお酒を提供する際のマナーなど、キャバクラのボーイに必要な知識やポイントを解説します。
キャバクラのボーイの仕事に興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

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キャバクラボーイの仕事内容や1日の流れは?どこよりも簡単・丁寧に解説
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キャバクラのドリンクシステム
キャバクラではお酒を中心にドリンクの提供をしており、ここにキャバクラ独自のシステムが加わります。
このシステムには大きく分類すると以下の4つがあります。
・キープボトル
・単品ドリンク
・キャストドリンク
これらのドリンクシステムはキャバクラのボーイなら仕事をする上で知ってて当たり前の知識とされています。
一つずつ解説していきますので、それぞれの特徴をしっかりと把握しましょう。
ハウスボトル
ハウスボトルはキャバクラのセット料金(席代)に含まれているお酒です。
各テーブルに用意されている飲み放題のお酒で、新規やフリーで来店したお客さんが多く利用します。
「ハウス」と略されることもあり、ハウスボトルとして用意されているお酒の種類は焼酎・ウイスキー・ブランデーなどが中心です。
なお、ハウスボトルはお客さんが飲むためのもので、キャストは飲むことができません。
キャストが飲めるドリンクはお客さんがオーダーした有料のものだけなので覚えておきましょう。
キープボトル
キープボトルはお客さんがお金を払って注文したお酒のボトルのことです。
用意されているお酒の種類はハウスボトルと同様に、焼酎・ウイスキー・ブランデーなどがメインとなります。
「キープ」という言葉のとおり、ボトルを全て飲みきれなかった場合でも一定期間はお店で保管されます。
保管期間はお店によりますが、概ね3ヶ月程度が基本です。
キープボトルはお客さんはもちろん、キャストも飲んで良いとされているお酒です。
1杯ずつお酒を注文するよりもキープボトルのほうが長い目で見てコストパフォーマンスが高くなるうえ、次回来店時にまた利用できるというキープボトルの性質上、2回以上はお店を利用している常連客が注文する傾向にあります。
単品ドリンク
その名のとおり1杯ずつの単品で注文するドリンクで、ビール・各種カクテル・ソフトドリンク・ワイン・シャンパンなどが用意されています。
開封後に酸化が進んでしまうワインや炭酸が抜けてしまうシャンパンなどは「抜きもの」と呼ばれており、キープボトルにはできないので注意が必要です。
単品ドリンクの銘柄は大衆的なものをはじめ、シャンパンならドンペリ、ワインならロマネコンティといった高級銘柄も用意されています。
キャストドリンク
キャストドリンクは、キャストが飲むためにお客さんが注文するドリンクです。
種類はソフトドリンクからカクテルまでさまざまで、お客さんはキャストが希望するドリンクを注文します。
このキャストドリンクにはドリンクバックという制度を設けているキャバクラが多く、この場合ドリンク代の数%がキャストに還元されるようになっています。

キャバクラで定番のお酒【ハウスボトル】
次はキャバクラで提供されているハウスボトルを詳しく紹介します。
なかには定番とされている銘柄もありますが、お店によって取り扱っている銘柄が異なるケースがあります。
ここで紹介するものはあくまでも一例として参考にしていただければ幸いです。
焼酎
焼酎はハウスボトルの定番としてほとんどのキャバクラに用意されているお酒です。
焼酎は大きく乙類焼酎と甲類焼酎の2つに分類されています。
乙類焼酎は素材の風味を活かした味が特徴で、芋・米・麦・黒糖などが広く知られています。
一方、甲類焼酎は無味無臭が特徴で、割りものを入れて楽しむ焼酎です。
乙類焼酎と甲類焼酎のうち、キャバクラで多く採用されているのが以下の銘柄です。
・黒霧島【芋】
・いいちこ【麦】
・二階堂【麦】
・鏡月(きょうげつ)
・JINRO
万人受けする乙類焼酎の銘柄と、水割り・お湯割り・ソーダ割り・ロックなど幅広い飲み方ができる甲類焼酎の銘柄がハウスボトルに選ばれやすい傾向にあります。
ウイスキー
ウイスキーもハウスボトルとして人気が高いお酒で、多くのキャバクラで採用されています。
なかでも多く採用されているウイスキーは以下の銘柄です。
・シーバス・リーガル
・サントリー角瓶
共通しているのはいずれも比較的リーズナブルな価格の銘柄だということです。
しかし、高級キャバクラの場合はハウスボトルのウイスキーでも、もっと高級な銘柄を用意している場合があります。
飲み方は、水割り・ソーダ割り・ロックが一般的です。
ブランデー
ブランデーもハウスボトルとして定番のお酒です。
ブランデーは作成過程やアルコール度数がウイスキーと似ていますが、明確な違いは原材料です。
ウイスキーの原材料は穀物、一方でブランデーの原材料は白ブドウが使用されていますので、この機会に覚えておくと良いでしょう。
キャバクラのハウスボトルには以下の銘柄が多く採用されています。
・ニッカ ドンピエール VSO
ブランデーは香りを楽しむことに重きを置いているお酒なので、水や氷を一切入れずにストレートで飲むのが基本です。
とはいえ、お客さんによっては水・氷・炭酸で割って飲む人もいますので、臨機応変に対応しましょう。

キャバクラで定番のお酒【キープボトル】
多くのキャバクラで取り扱われている定番のキープボトルの種類をご紹介します。
お店によって取り扱っている銘柄は異なりますので、ここで紹介しているものはあくまでも一例として参考にしてみてください。
焼酎
キャバクラでキープボトルとして提供されることが多い焼酎の銘柄は以下のとおりです。
・神の河(かんのこ)
・吉四六(きっちょむ)
・真政(しんせい)
・百年の孤独
・霧島(きりしま)シリーズ【白・黒・赤・茜】
・一刻者(いっこもん)
・魔王
・鍛高譚(たんたかたん)【しそ】
・れんと【黒糖】
・ゆず小町【ゆず】
・しろ【米】
ほかにも、お店によってはハウスボトルの項目で取り上げた焼酎もキープボトルとして注文できる場合があります。
ウイスキー
ウイスキーはキャバクラのキープボトルとしては焼酎に次ぐ人気があります。
ウイスキーの中でも特にキープボトルに選ばれやすい銘柄は以下のとおりです。
・白州(はくしゅう)
・響
・山崎
・バランタイン
・マッカラン
・メーカーズマーク
・ジムビーム
飲み方はお客さんによってさまざまで、水割り・お湯割り・ソーダ割り・ロックなどが代表的です。
ブランデー
ブランデーは焼酎やウイスキーほどの人気はありませんが、キープボトルとしてしっかりと用意されています。
多くのキャバクラで用意されている定番の銘柄は以下のとおりです。
・カミュ
・ヘネシー
お店によってはデュカスタンやフォーチュンハートなど、飲みやすいわけではないけどボトルデザインが可愛いという理由で用意されているブランデーがあります。
これはテーブルが華やかになって女の子が喜んでくれるという理由でオーダーするお客さんが一定数いるためです。

キャバクラで定番のお酒【単品ドリンク】
キャバクラで取り扱っている人気&定番の単品ドリンクの銘柄と大まかな料金をご紹介します。
ドリンクは先述した「抜きもの」が中心です。
キープボトルと同様に、取り扱っている銘柄や料金はお店によって異なりますので、あくまでも一例として参考にしてみてください。
シャンパン
シャンパンはキャバクラの花形として非常に人気が高いお酒です。
グラスに注ぐとシュワーっと発泡することから、「泡」という略称で呼ばれることもあります。
キャバクラで定番のシャンパンの銘柄と大まかな価格は以下のとおりです。
・ヴーヴクリコ(20,000円~)
・モエシャンドン(20,000円~)
・ドンペリニヨン(70,000円~)
・ベルエポック(77,000円~)
・エンジェルシャンパン(80,000円~)
・クリュッグ(90,000円~)
・ソウメイ(100,000円~)
・ドラゴン&タイガー(120,000円~)
・アルマン・ド・ブリニャック(150,000円~)
シャンパンはロゼやゴールドなど、グレードが細かく分かれており、それぞれ価格が異なります。
なお、「泡」に分類されているのはシャンパンだけでなく、スパークリングワインも含まれていますので覚えておきましょう。
そして混同されがちですが、シャンパンはスパークリングワインの一種です。
フランス・シャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインのうち、フランスのワインの法律(AOC法)に定められた条件を全てクリアしたものだけがシャンパンとして認められます。
ワイン
キャバクラではシャンパン人気に押されがちですが、ワインも豊富な種類を取り揃えられていることが多く、ソムリエが常駐していたりワインセラーが設置されていたりするキャバクラも増えています。
キャバクラで定番のワインの銘柄と大まかな価格は以下のとおりです。
・カッシェロ・デル・ディアブロ(15,000円~)
・コート・デ・ローズ(15,000円~)
・カミュ(20,000円~)
・シャブリ(60,000円~)
・オーパスワン(180,000円~)
・ロマネコンティ(1,000,000円~)
特にロマネコンティは非常に特別なワインとして広く知られており、年間4,000本~7,000本しか生産できない希少性を持つ超高級ワインのため、価格は100万~200万やASK(相談)としているキャバクラもあります。
カクテル・ソフトドリンク
カクテルはバーや居酒屋などで飲むイメージが強いお酒ですが、キャバクラでも提供されています。
キャストドリンクとして注文するお客さんが多いほか、お客さん自身があまりお酒に強くない場合にもよく注文されます。
キャバクラで定番のカクテルの種類は以下のとおりです。
・カシスウーロン
・カルアミルク
・ファジーネーブル
・チャイナブルー
・スプモーニ
・モヒート
価格はどのカクテルもほぼ変わりなく、1,000円~2,000円程度です。
また、コーラやジュースなどのソフトドリンクも用意されていて、こちらは1,000円~1,500円程度で提供されます。
日本酒・ビール
「とりあえずビール!」というお客さんは多いので、キャバクラでもビールが提供されています。
キャバクラで定番のビールは以下のとおりです。
・サッポロ
・サントリー
・バドワイザー
・ハイネケン
価格は1杯1,500円程度、瓶だと2,500円程度が多いです。
ビールサーバーがあるキャバクラではボーイが用意して提供しますが、缶や瓶のビールの場合はキャストがグラスに注ぎます。
また、日本酒はキャバクラで頻繁に注文されるお酒ではありませんが、何かのお祝いのタイミングだったり日本酒が好きなお客さんだったりした場合は注文されることがあります。
キャバクラで定番の日本酒は以下のとおりです。
・澪DRY
・澪BRU辛口
・澪WHITE
・澪GOLD
・澪ROSE
・澪一果
宝酒造が販売しているスパークリング日本酒「澪(みお)」は他の日本酒と比べるとアルコール度数が低いのと、味がフルーティでキャストが飲みやすいため、圧倒的な人気があります。
価格は3,000円~10,000円程度と、比較的リーズナブルな価格です。

キャバクラで人気のお酒
団体客やワイワイ楽しみたいお客さん向けのSNS映えするパーティードリンク、通称「パリピ酒」を紹介します。
お店によって取り扱っているお酒は異なるうえ、過去に流行ったお酒も併せて紹介していますので、あくまでも一例として参考にしてみてください。
クライナーファイグリング
クライナーファイグリングは、通称「クライナー」と呼ばれているドイツ発祥のリキュールです。
可愛いキャラクターがデザインされたボトルが特徴でフレーバーの種類も多く、欧米では年間6億本も売れている人気のお酒です。
キャバクラで注文する場合でも1本あたり2,500円程度と比較的安価。
可愛いボトルのデザインや綺麗なお酒の色合いはとても見映えが良く、テーブルが華やかになります。
コカレロ
コカレロは高品質のコカの葉と16種類ものハーブをブレンドしたリキュールです。
当然ですが違法な麻薬成分などはありませんのでご安心ください。
コーラやレッドブルといった割りものをひょうたんの形をしたグラスに注ぎ、その上からコカレロを注ぐ「コカボム」と呼ばれる飲み方が非常に人気があります。
さらにコカボムを積み重ねる「コカレロタワー」「コカボムタワー」というものがあり、シャンパンタワーより安価です。
キャバクラでの価格はコカレロが2,500円程度、コカボムが3,500円程度です。
イエーガー マイスター
イエーガー マイスターは通称「イエーガー」と呼ばれているハーブリキュールです。
56種類のハーブとスパイスで製造されていて、「ドイツの養命酒」と呼ばれることも。
ハーブ特有の甘さとほろ苦さが特徴で、ショットまたはエナジードリンクで割った「イエガーボム」で飲みます。
キャバクラでの価格は1ショットあたり2,500円程度です。
テキーラ
テキーラはアルコール度数が高くて酔いやすいのが特徴のお酒です。
場を盛り上げやすいお酒としても広く知られていて、2010年代にはテキーラが入ったゼリー菓子「テキーラボール」が流行ったこともあります。
現在ではテキーラをベースにしたストロベリークリームのリキュール「テキーラローズ」が女の子からの支持を集めていますが、キャバクラに置いてあるケースは少なめ。
キャバクラでの価格は1ショット2,000円程度です。
余談ですがテキーラのショット1杯とソフトドリンクなどのショット多数を使用してロシアンルーレットが楽しめる玩具「テキーラ観覧車」というものがあります。
LEDで煌びやかに輝く観覧車の形をしており、ゴンドラ部分にショットを乗せて回転するようになっていて、これもSNS映えするのと場が盛り上がるので非常に人気です。

キャバクラのボーイが覚えておきたいお酒のマナー・知識
次はキャバクラのボーイならしっかりと覚えておきたいお酒の飲み方・割り方・提供方法・マナー・知識などを紹介します。
いずれもキャバクラのボーイには必須の内容ですので、ぜひチェックしてみてください。
基本マナー
お客さんとキャストへお酒を提供する際のマナーをご紹介します。
これらをしっかりとおさえることでお客さんへの丁寧な対応ができるようになり、気持ち良く利用してもらえるようになります。
お酒の提供マナー
・グラスにお酒を注ぐ際はボトルの口をグラスに付けないように気を付ける
・お酒に割りものを混ぜる際、マドラーを左回し(反時計回り)に回す
※右回し(時計回り)には「早く帰れ」という意味が含まれているため
・お客さんと乾杯をする場合、グラスを両手で持ってお客さんのグラスより下げる
・ワイングラスやシャンパングラスなど、脚があるグラスはテーブルに置いた状態でお酒を注ぐ
・脚がないグラスは飲む人(お客さん・キャスト)に両手で持ってもらってから注ぐ
お酒の飲み方(割り方)の種類
お酒の割り方と飲み方もキャバクラのボーイとして働くうえで必須の知識です。
あらかじめ覚えておけば働き始めた際に必ず役に立ちますので、ぜひおさえておいてください。
代表的な割り方と飲み方は以下のとおりです。
ストレート
割りものを入れずに飲むことで、ウイスキーなどの主にアルコール度数が高いお酒で活用される飲み方です。
ロック(オン・ザ・ロック)
グラスにロックアイス(氷)を入れて飲むことで、こちらもアルコール度数が高いお酒で活用される飲み方です。
ショット
アルコール度数が高いお酒を少量(30mlが標準)だけ注いで一気に飲み干すことです。
主にテキーラを飲む際に活用されており、現在はイエーガーマイスターやコカレロでも使うケースが増えています。
割りもの
お酒を飲む際に入れる、水・お茶・ジュース・エナジードリンクなどのことです。
お酒の強さを緩和したり、味を変えたりといった目的があります。
チューハイ(酎ハイ)
焼酎を他のドリンクで割ったものです。
チューハイ(酎ハイ)と総称されることが多いですが、割りものの名前をとって「ウーロンハイ」「緑茶ハイ」などと呼ばれることもあります。
焼酎をハイボールで割った「焼酎ハイボール」が名称の由来です。
ハイボール
ウイスキーをソーダで割ったもので、カクテルの一種です。
特に若い人に人気のあるお酒です。
サワー
ウォッカ・テキーラ・ラム・ジンなどの蒸溜酒(スピリッツと呼ばれます)に果汁やガムシロップを加えて、さらにソーダで割ったものです。
「レモンサワー」や「ライムサワー」を筆頭に、酸味がある果汁で割った炭酸系カクテルが主流です。
なかには甘い果物で作られる「桃サワー」などもあります。
お酒の提供方法
キャバクラでオーダーされやすいお酒の提供方法をご紹介します。
まずはこれらのお酒の提供方法をおさえることから始めると良いでしょう。
ビール
キャバクラによって瓶ビールで提供、もしくはビールサーバーを使用してグラスに注いでからの提供に分かれます。
ビールサーバーを使用する場合、ビールと泡の割合が7:3くらいだと見た目が綺麗になります。
ワイン
ボトルの底を持って注ぐと風味が変わり辛(づら)いうえ、スマートに注げます。
注ぐ量はグラスの3分目くらいまでにしましょう。
これは香りを楽しみたいお客さんがグラスの中でワインを回しやすくするためです。
シャンパン・スパークリングワイン
グラスに注ぐ際は2回に分けて注ぐのがコツです。
また、シャンパンはしっかりと冷やしておくことが重要です。
十分に冷えていない状態で開封すると、コルクが飛びやすくて危険なので注意しましょう。

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【キャバクラ用語集】 お酒・キッチン編
キャバクラのお酒の種類を覚えてボーイとして活躍しよう!
今回はキャバクラのボーイなら知っておきたいさまざまな知識をご紹介してきました。
基本的なドリンクシステム・お酒の種類・お酒を提供する際のマナーなど、いずれもお客さんに気持ち良く利用してもらうために必ず必要になります。
キャバクラのボーイに興味がある方はもちろん、既にキャバクラのボーイとして働き始めている方も、今一度本記事を見返してみて気になるポイントがあればチェックしてみてくださいね。
