風俗店で働くキャストは、ときに悩みやストレスを抱えてメンタルを病んでしまうことがあります。
しかし、適切なメンタルケアを行うことができれば、キャストが病むことを未然に防ぐことが可能です。
まずは定期的にヒアリングを行い、キャストがストレスを溜め込んでしまわないようにしましょう。
また、キャストに収入の目標設定をしてもらい、モチベーションを上げてもらうのも良い方法です。
そして、頑張りすぎて心身が疲れてしまう前にたっぷりと休養を取ってもらうのも基本的ですが有効な手段です。
今回は風俗で働くキャストが抱え込みやすい悩みやストレス、そしてそれらの適切なケアの方法について解説します。
日々ストレスにさらされるキャストのケアについて悩んでいるスタッフの方は、ぜひ参考にしてみてください。
風俗のキャストがストレスでメンタルを病む理由11選
風俗のキャストが病んでしまう原因ですが、やはり人間ですから個人差があります。
そのため一概に、「これが理由だ」と言い切れるものはありません。
とはいえキャストが病みやすい原因の傾向はありますので、今回はそのなかから代表的なものを11個ご紹介します。
ご自身が働くお店の事情と照らし合わせてみて、当てはまっているものがないかチェックしてみてください。
お客さんの質が悪い
風俗店のキャストは、お客さんに性的なサービスをするのが仕事です。
そして、風俗店に限った話ではありませんが、お客さんのなかには良い人ばかりではなく迷惑行為を行う質の悪い人もいます。
【お客さんによる迷惑行為の代表例】
・キャストを人間的に下に見て説教を始める
・自分の性的欲求を押し付ける乱暴なプレイをする
・ルールを無視したサービスを要求してくる
キャストはお客さんからこのような行為をされてしまうと、疲れるだけでなくストレスが溜まる原因になってしまいます。
スタッフは、キャストへの迷惑行為をやめるようお客さんに注意したり、あまりにも悪質な場合はそのお客さんを出入り禁止にしたりといった対応を行いましょう。
お店のスタッフや他のキャストとの人間関係が良くない
同じ風俗店で働くスタッフやキャスト同士の人間関係はとても重要です。
人間関係が良くないと居心地が悪かったり働きづらかったりするほか、スタッフによるハラスメント行為によってキャストが病んでしまうこともあります。
そのようなことになってしまう要因の一つは仕事の忙しさです。
風俗業界はキャスト・スタッフともに人手不足の状況が続いています。
忙しいとお客さんへの対応がずさんになるだけでなく、気持にも余裕が持てなくなってしまうため、周囲に対しても配慮に欠けた行動をとってしまいがちです。
スタッフは、キャストが人間関係でストレスを感じないよう配慮するだけでなく、キャストへの態度に問題がないかを常に気をつけながら業務を行いましょう。
将来性を感じられない
「お金が必要」「風俗の仕事が自分に合っている」など、さまざまな理由があって風俗の仕事を選んだ女性たちですが、「将来性を感じられない」と悲観的になって病んでしまう場合があります。
風俗店のキャストであることを履歴書や職務経歴書に書けないと思っていたり、キャストとして過ごしている時間は何の価値もない無駄な時間だと思い込んでいたりすることが大きな要因のようです。
しかし、風俗業界は大手企業も多く参入している、将来性のある業界です。
風俗店以外にも風俗に関する企業は数多くあるので、キャストの経験を活かして転職できる可能性があります。
また、キャストのセカンドキャリアとして風俗店の内勤スタッフや店長を目指すことも可能です。
スタッフは「この仕事には未来がない」と悩んでいるキャストに対して、先述したようなキャリアプランが目指せるとアドバイスしてあげると、キャストの悩みが解消されるかもしれません。
性病の心配
風俗で働く以上、性病の心配が尽きないキャストは多いです。
「今は大丈夫でもいつかは自分も性病にかかるのではないか」と、心を病んでしまうことがあります。
しかし、キャストが性病にかかることは風俗店側にとっても大きなダメージとなるため、専用のせっけん・ボディソープ・消毒液など、高品質で評判の良いものを用意して対策をしているお店も多いです。
さらに風俗店のなかには、キャストに対して定期的な性病検査を義務付けているところもあります。
万が一キャストが性病にかかっていても早期発見ができるので、これがキャストの安心感につながり、性病への心配から心が病んでしまうことを防げます。
理想通りに稼げない
お金が欲しくて風俗キャストになったのに思ったより稼げない場合、「こんなに身体を張って頑張っているのに……」とキャストが病んでしまうことがあります。
風俗キャストの給料は時給制や日給制ではなく、歩合制という場合がほとんどです。
お客さんが付いていない待機時間は給料が発生しない、いわゆる「お茶を挽く」時間を過ごすことになります。
お客さんが付かない時間が長くなると稼げないだけでなく、自分には価値がないんだと思い込んで病んでしまうキャストも。
スタッフはそのようなキャストに対し、「出勤するたびにたくさん稼げているキャストの方が少ないよ」などとフォローをしながら寄り添い、リピート客を付けるコツや、写メ日記・SNSを活用したプロモーション方法についてアドバイスしてあげると良いでしょう。
仕事内容がきつい
風俗の仕事は身体を使った肉体労働です。
体力が必要なとてもハードな仕事なので、「楽に稼げる」「華やかな仕事」のようなイメージを持っている女性が現実とのギャップを感じてしまう場合があります。
特に出勤日数が多いキャストだとなかなか体の疲れが取れず、徐々に心を病んでしまうことにもつながりかねません。
そして風俗は、恋愛感情のない男性に対して性的なサービスを行う仕事です。
見ず知らずの男性と二人きりになって身体を触られたり舐められたりするため、キャストによっては精神的な負担を強く感じることもあります。
このような場合スタッフはキャストに対し、仕事とプライベートをハッキリと分けて考えるようにアドバイスしてみましょう。
また、稼ぎたいからと出勤日数を増やしているキャストに対しては、相談のうえ出勤を減らして体を休めることを優先させるのも良い方法です。
掲示板で誹謗(ひぼう)中傷される
匿名で書き込める掲示板では日本全国の風俗店やキャストに関する情報交換が行われています。
しかし匿名という特性上、モラルの低い情報交換の場になっているのが現状です。
匿名掲示板には嘘の情報や風俗店・キャストへの誹謗(ひぼう)中傷行為・晒(さら)しなども日常的に書き込まれています。
もちろん本当の情報や風俗店とキャストを絶賛する書き込みも見られますが、悪い情報を目にすると気分を害してしまうのは人間として当然のことなので、これによってキャストが病んでしまう可能性があります。
「自分のことが書かれているかも……」と気になるのは仕方のないことですが、匿名掲示板は一切見ないようにアドバイスしてあげましょう。
キャストが万が一自分に関する良くない情報を目にしてしまった場合、「どのお客さんがあんな書き込みをしたんだろう」「このお客さんは掲示板の情報を見てから来ているのかも」など、全てのお客さんに対して疑心暗鬼になり、良い接客ができず悪い評判につながるという負の連鎖におちいってしまう恐れがあります。
いつか身バレするのではという心配
多くのキャストは風俗で働いていることを秘密にしています。
これは、家族・友人・知人・彼氏などにバレてしまった場合、トラブルになる可能性が高いからです。
風俗で働いているキャストは「知り合いにバレたらどうしよう」「昼職の同僚がお店に来るかもしれない」など、身バレに関する不安を常に抱えています。
その不安が少しずつ溜まっていき、やがて心を病んでしまうキャストも出てくるでしょう。
そこでスタッフはキャストの不安を取り除くために、ホームページでの顔出しを避けたり、出退勤時にはマスクと帽子で顔を隠したりといった基本的な身バレ対策を教えるところからはじめます。
また、風俗店によってはカメラやマジックミラーで事前にお客さんの顔を確認できるところもあります。
お店を辞められない
風俗キャストとして働き始めると、さまざまな理由から辞めたくても辞められないという状況になる場合があります。
【キャストが辞められない主な理由】
・辞めてから次の仕事が見つかるかが不安
・上がった生活水準を下げられない
このような理由から辞めたいのに辞められないという状況に追い込まれていると錯覚し、その結果心を病んでしまうキャストがいます。
辞められない理由があるキャストに対してスタッフは、その理由を解消するためのアドバイスをしましょう。
先に挙げた例であれば、
・ほかの仕事を探しながら資格取得などに向けて勉強する
・少しずつ生活水準を下げて一般的なレベルに慣れていく
これらの実現に向けたアドバイスをすることでキャストに安心感が生まれ、心が病むことを防げるかもしれません。
メンヘラなところがある
もともとメンヘラ気質のあるキャストは心を病みやすいです。
メンヘラとは「精神不安を抱える人」のことを指す言葉で、風俗店で働くキャストにはメンヘラ気質の女性が多い傾向にあります。
また、メンヘラ気質の女性は以下のようなことが苦手とされています。
・人間関係に気を配りながら自分の仕事をこなす
・自己啓発に励む
一般的な社会人として求められることが上手くできないことから、自分のペースで働ける風俗キャストを選ぶケースも多いです。
メンヘラ気質の女性は些細なことでストレスを感じて心を病みやすいので、スタッフは常に優しく接することを心掛けておくと良いでしょう。
他人に相談しづらい
風俗店で働いていると、自分の仕事を周りの人に理解してもらえず、誰かに相談したくてもできないことがあります。
特に風俗は心身ともにハードな仕事なので、誰かに悩み・相談・愚痴などを聞いてもらいたいというキャストは多いです。
しかし、話を聞いてもらえる人がいないとキャストは徐々にストレスを溜め込んでしまい、病んでしまうことがあります。
また、風俗店のスタッフは男性であることが多く、キャストから相談するのは少しハードルが高いかもしれません。
キャストが相談しやすい環境をつくるため、定期的な面談を実施するのもひとつの手です。
とはいえ異性には話しづらいこともあるはずなので、もしお店に女性スタッフがいる場合はキャストのケアをお願いするのも有効です。
風俗スタッフができるキャストのメンタルケア
ここまで紹介した事例はほんの一部で、実際は他にもさまざまな原因でキャストが病んでしまうことがあります。
スタッフはキャストが病まないように日頃から気を配っておきましょう。
次の項目ではスタッフが行うべきメンタルケアの内容を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
悩みについて常日頃からヒアリングする
スタッフによるキャストへのヒアリングは、キャストのメンタルケアにおいてとても重要です。
風俗で働いていると、お客さんから連絡先を聞かれたり本番行為を迫られたりといったトラブルに遭遇することがあります。
これらの行為はメンタルにダメージを与えるケースがほとんどで、誰にも相談できずにいるとキャストが病んでしまうことにつながります。
そうならないためにもスタッフは、日頃からキャストに対して「何か悩みはありませんか?」のように声かけをして気にかけてあげましょう。
悩みまでいかなくても、キャストの愚痴を聞いてあげるだけでもメンタルケアとしては非常に有効です。
もしキャストがお店の環境や待遇についてストレスを感じているなら、上長に報告して対応を仰ぎます。
また、お客さんやキャスト間でのトラブルなどが発覚した場合には、スタッフが速やかに対処してあげましょう。
「月⚪︎万円稼ぐ」などの目標を一緒に考える
キャストへのヒアリングを行う際に、何かしらの目標を決めてもらうのも良いでしょう。
風俗の仕事は心身ともに負担がかかるとてもハードな仕事です。
「ほかで働ける自信がない」「とにかくお金を稼がないといけない」といった動機で風俗の仕事をはじめる女性もいますが、これではまるで追い込まれているような心境になってしまい、病むことにつながります。
そこで前向きな目標を決めてもらうというわけです。
「来年までに〇万円貯める」「ずっと欲しかったブランドバッグを買う」など、働くうえでのモチベーションを保てるとメンタルを崩しにくくなります。
キャストのモチベーションが高くなれば良い接客ができるようになり、お客さんからの評判も良くなるため、お店の売上につながるといった良い循環も期待できますよ。
休みを取らせる
頑張り過ぎているキャストには休みを取ってもらい、心の休養と気分転換をしてもらうのもメンタルケアの有効な手段です。
キャスト自身から「メンタルがきついから休ませてほしい」と言えればベストですが、なかなか言い出せないキャストもいます。
スタッフはキャストの様子を日々チェックして、様子がおかしいなと思ったら話を聞き、メンタルを崩しているようであれば速やかに休ませてあげると良いでしょう。
休みの取り方はキャストにもよりますが、しばらくの間休ませる場合と週の出勤日数や時間を減らす場合があります。
キャストの希望に沿う形を取っても良いですし、しっかりとキャストと話し合って決めるのも良い方法です。
いずれにしてもキャストには心を病んでしまう前に休養を取ってもらい、好きなものを買ったり、美味しいものを食べたり、旅行に行ったりしてリフレッシュしてもらいましょう。
定期的に話し合いをしてキャストをサポートしよう
当記事を読んで、さまざまな原因でキャストが病んでしまう場合があるということがお分かりいただけたと思います。
キャストが病むとお店の売り上げが下がる原因にもなってしまうので、スタッフは定期的にキャストにヒアリングを行い、改善できることがあればすぐ行動に移すようにしましょう。
キャストのメンタルケアを行うことは、お店の売り上げや評判を上げることだけでなく、スタッフ自身の成果や評価にもつながります。
より上を目指して頑張りたいという方は、今回の記事を参考にしてキャストとのコミュニケーションを図ってみてはいかがでしょうか?